人材不足の介護業界と解決に乗り出した政府
日本の高齢化社会の現状
高齢化社会と呼ばれる現在の日本。介護業界にとっても大きなテーマでもあるこの問題について、実際にどのような状況に置かれているのか詳しく見ていきましょう。
内閣府が年に一度公表している高齢社会白書によりますと、日本の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は2000年は17.4%、2010年は23.0%、2014年は26.0%と右肩上がりに増加していることがわかります。さらにこのまま行くと、2060年には、2.5人に1人が65歳以上、4人に1人が75歳以上となることが予想されています。つまり介護福祉士に対する人材需要もそれだけ高まりを見せているのです。
平成27年版高齢社会白書(概要版)第1章 高齢化の状況
安倍政権の「介護離職ゼロ」政策
しかしながら、このようにして介護福祉士に対する需要があるにも関わらず、介護業界は人手不足の状態が続いています。その理由としては親の介護のためであったり、低賃金であるといったもので、介護離職者は年間10万人前後を推移しているのが現状です。
こういった背景を踏まえ、高齢化社会と介護業界への対策として安倍政権が打ち出した「新三本の矢」政策のひとつが「介護離職ゼロ」政策です。
自民党は24日午後、党本部で両院議員総会を開き、安倍晋三首相(党総裁)の再選を正式に承認する。その後、首相は党本部で記者会見し、今後は経済最優先で取り組むなど政権運営や党運営の方針を説明する。党総裁選で公約した「介護離職ゼロ」の方針も打ち出し、福祉政策重視も訴える。
介護離職を2020年代始めまでにゼロにするという大きな目標を掲げ、介護業界の問題に対して政府が取り組む姿勢を強く見せた今回の政策。業界にとっても政府が後押しすることでプラスになる政策のようにも見えますが、実際は問題も多く、様々な指摘がなされています。